認知行動療法で境界性人格障害が治る?やり方、治し方は?

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認知行動療法で境界性人格障害が治る?やり方、治し方は?

境界性人格障害の人は、物事や人のとらえ方や考え方、思考がとても偏っていることが特徴のひとつです。

物事のとらえ方や考え方、思考のことを、心理学の専門用語で「認知」といいます。

認知を変えることで境界性人格障害(ボーダーライン症候群)を治す方法に、うつ病などの治療でも用いられることが多い「認知行動療法」があります。

境界性人格障害の治療方法における認知行動療法について、いろいろ調べてみたのでポイントをまとめてみたいと思います。

受け取り方=認知を変える認知行動療法

境界性人格障害の治し方のひとつに、認知行動療法をつかった治療方法があります。

認知行動療法はうつ病などの精神疾患の治療でもつかわれている、治療効果の高い方法です。

認知とは、物事のとらえ方や受け取り方、考え方や思考のことを意味する心理学用語です。

認知行動療法では、まわりの人や環境を変えるのではなく、境界性人格障害の人の受け取り方や考え方を変えることで、心の苦しさや症状を和らげている治療方法になります。

境界性人格障害を治す認知行動療法のやり方

境界性人格障害を治すための認知行動療法はどんなやり方があるのでしょうか。

まず最初に、きっかけとなる出来事と、自分の感情や行動を振り返って紙に書くなど記録します。

次に、そういった感情や行動をとってしまったのは、出来事や物事をどう受け取ったからなのかを考えます。

この部分に、境界性人格障害の人が自覚しないままに行ってしまっている思考パターンの自動思考が関係しています。

歪んだ自動思考を見つけて自覚し、自分がおちいりやすいパターンを変化させていくのです。

もっと前向きな気持ちになれる物事の受け止め方や思考にはどんなものが考えられるか(合理的思考)、などについて考えて書き出してみます。

書き出す内容は、「出来事・出来事への反応や行動・自動思考・合理的思考・結果」に分けて書くといいです。

実際に、前向きにとらえることができなくてもかまいません。

問題やつらい出来事などに遭遇するたびに、この方法を繰り返すことで、徐々に物事の受け取り方が変化していきます。

歪んだ認知を修正する認知行動療法のコツ

認知行動療法は継続して行うことが大切です。

最初のうちは、医師やカウンセラーなどの専門家のアドバイスを受けながら進めていくとよいでしょう。

ある程度の回数を繰り返しているうちに、少しずつコツをつかみ上達が早くなっていきます。

自分の陥りがちな自動思考や合理的思考を書き出すことができるようになると、物事を振り返る力が身につき、行動面でも変化が起きるようになってきます。

境界性人格障害の患者本人が認知行動療法をするときには、自分の受け止め方やとらえ方を否定しないことが注意点です。

自分の考え方や思考を否定するのではなく、共感的に受け問め、そう思うのはどうしてだろう?と考えてみるとよいでしょう。

【まとめ】

・境界性人格障害の治療方法で認知行動療法がもちいられることがある
・物事の受け取り方や感じ方などを紙に書き出してみる
・自分の考えや受け取り方を否定したり責めたりしない
・最初は専門家のアドバイスや助言を受けると上達が早くなる

◆この記事は、パーソナリティ障害の臨床の第一人者であり岡田クリニック院長の岡田尊司先生執筆・監修「ササっと分かる境界性パーソナリティ障害(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。