境界性人格障害のカウンセリングのポイントは共感と肯定

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境界性人格障害のカウンセリングのポイントは共感と肯定

境界性人格障害(ボーダーライン/境界性パーソナリティ障害)の人との接し方や対応においては、カウンセリングのポイントが有効になります。

境界性人格障害の症状や状態を改善し、より良い人間関係を築くためにも、カウンセリングのポイントをしっかりおさえておくことが大切です。

境界性人格障害のカウンセリングのポイント

境界性人格障害(ボーダーライン)の接し方で、重要になってくるのは共感と肯定です。

共感と肯定は、カウンセリングのやり方でも非常に重要なテーマです。

相手の話を共感的に受け止め、肯定的に返すことが、境界性人格障害の人への対応では大切です。

境界性人格障害(ボーダーライン/境界性パーソナリティ障害)の人が言うことに対して、反論や批判は禁物です。

まずは、境界性人格障害の本人の言葉に耳と心を傾け、しっかりと話を聴く姿勢「傾聴カウンセリング」を心がけましょう。

親子関係が重要になる境界性人格障害のカウンセリング

境界性人格障害のカウンセリングの際には、親が心の中で「なんでこんな事を言うの」「どうしてそんな事をするの」「信じられない」「人間じゃない」など、境界性人格障害の子供のことを否定する感情を抱いているケースが多く見られます。

このような親の被害者意識が改善するかどうかも、境界性人格障害が回復改善するかどうかに深く関係しています。

境界性人格障害のカウンセリングでは、患者本人も重要ですが、親の影響も大きいのです。

言い換えると、境界性人格障害のカウンセリングは、親子関係のカウンセリングという意味ととらえることもできます。

親の対応もカウンセリングのポイントを参考に

親と境界性人格障害の子供への接し方においても、カウンセリングのポイントをおさえた対応が有効になります。

境界性人格障害の本人を否定や非難せず、まずは本人の言葉に耳を傾けてしっかりと話を聞き入れてあげるとよいでしょう。

「事実と違う」「言いがかり」など反論や批判をしたくこともあるでしょうが、まずは境界性人格障害の本人がそう信じている、そう感じているという現実を受け入れるところから始めましょう。

境界性人格障害の本人が言っている話の内容が、事実かどうか、正しいか間違っているか、よりも、その向こう側にある本人の傷ついた心への理解をしていくのです。

批判的な思考や考えを持っている親は要注意です。

境界性人格障害の人に対して、否定的な言葉は禁句です。

第三者的な視点を持って関わるようにすると、客観的に落ち着いて
話を聴く傾聴カウンセリングをしやすくなります。

境界性人格障害の改善回復のカギは「共感」「受容」というカウンセリングのポイントにあるのです。

◆この記事は、パーソナリティ障害の臨床の第一人者であり岡田クリニック院長の岡田尊司先生執筆・監修「ササっと分かる境界性パーソナリティ障害(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。