境界性人格障害は被害妄想がひどい?不安が強く情緒不安定

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境界性人格障害は被害妄想がひどい?不安が強く情緒不安定

境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の患者さんによく見られる特徴に、不安が強いことがあります。

この不安は、恋人や友達が自分のことを見捨てるのではないか、という不安です。

不安が強くて問題行動を起こしてしまう[境界性人格障害]

境界性人格障害(ボーダーライン)の人は、彼氏や彼女など恋人から拒否される、親友や友達から自分が否定される、という不安が強く、相手が自分のことを捨ててしまうのでは、という心理的傾向があります。

彼氏から「別れよう」と見捨てられることが怖くて、必死にしがみつこうと相手に依存してしまったり、何とか自分に関心を持たせようとして、リストカットや自傷行為など自殺をほのめかす行動をする人もいます。

自分の思い通りに相手が行動しなかった場合には、不安が怒りの感情に変わって、暴言や暴力、ストーカー行為などに発展してしまう場合もあります。

境界性人格障害の問題行動の例

・パニック発作
・リストカット(自傷行為)
・自殺未遂
・暴言
・暴力
・嫌がらせ
・ストーカー行為
・犯罪行為

被害妄想がひどい?境界性人格障害

ちょっとしたことでも被害妄想がひどく、激しく思い込む傾向が強いのも境界性人格障害の人の特徴です。

例えば、彼氏が電話に出なかっただけで「もう私のこと嫌いになったの?」と不安な気持ちになってしまい、何度も電話をかけたり、メールを大量に送ったりしてしまうのも典型的な境界性人格障害のパターンといえます。

境界性人格障害の人は、相手が自分のことを見捨てるのでは、と人間不信な思考パターンを持っているので、些細なことでも過剰に反応して被害妄想をしてしまい、ネガティブな感情をつのらせてしまうのです。

気分の波が激しく情緒不安定な境界性人格障害

気分の波が激しく、人の好き嫌いも極端に激しい、ということも境界性人格障害の特徴です。

すごく上機嫌だったのにもかかわらず、ほんのちょっとしたことで最悪の気持ちになってしまったり、人間関係においても、ささいなことで相手の全人格を否定するくらい大嫌いになったりしてしまいます。

これは、境界性人格障害の二分法的認知、二極化思考の影響です。

二分法的認知(二極化思考)とは、物事や人のことを、良いか悪い、好きか嫌い、白か黒、の両極端しか考えることができず、中間がない状態です。

【まとめ】

・境界性人格障害は見捨てられる強い不安がある
・被害妄想がひどい
・情緒不安定
・好き嫌いが激しい
・二分法的認知(二極化思考)
・気分の波が激しい
・人間不信
・激しく思い込む傾向がある

◆この記事は、パーソナリティ障害の臨床の第一人者であり岡田クリニック院長の岡田尊司先生執筆・監修「ササっと分かる境界性パーソナリティ障害(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。