【発達障害の子どもがいるクラス】担任教師の対応と支援について

【発達障害の子どもがいるクラス】担任教師の対応と支援について

ADHDやLD学習障害などの発達障害がある子どもは、クラスのまわりの子どもと比べて個性が強いといえます。

そのため、クラスの他の子どもたちから距離を置かれて敬遠されたりすることもあり、担任教師としては十分に配慮しながら対応と支援をしていくことが求められます。

発達障害の子どもがいるクラスづくり

通常学級に発達障害の子どもがいる場合、担任教師としては「どのようにクラスづくりをするか」「発達障害を他の子どもにどう説明するか」というテーマに直面することになります。

教師の伝え方や説明の仕方によって、クラスの他の子どもたちが発達障害の子どもにどのような印象を持つか、に影響します。

もし発達障害であることを説明しなかったら、「迷惑な子」「授業の邪魔をする子」といったネガティブな印象を持ち、発達障害の子どもが孤立してしまいかねません。

また、他の子どもたちにも、ストレスや不満がたまることもあり、担任教師の接し方によって不公平感を感じ、教師に対して批判的になってしまう、という問題がおきる可能性も考えられます。

教師が子どもたちに対して、発達障害のことをわかりやすく、ていねいに説明することで、ストレスや不満を防ぐことができます。

発達障害の説明の仕方は?

発達障害を他の子どもに説明するときにポイントは次の3つがあります。

①人には誰でも長所と短所があること
②サポートすればちゃんとできる
③できることは一緒に取り組む

また、ADHDやLD学習障害など発達障害の診断名をクラスの他の子どもに告知する際には、保護者の了解を得るようにし、安易に口にすべきではありません。

教師の接し方が他の子どものお手本になる

発達障害の子どもに対する教師の接し方が、他の子どもたちのお手本になります。

例えば、授業中に席を立って教室を歩き回る発達障害の子どもに対して、否定的な態度をとるのではなく、やさしく声をかけたり、教室の外に出ていったときは迎えにいったり、という対応を子どもたちは真似するようになります。

担任教師を含め、他の先生や親は、他の子どもたちに見られていることを忘れず、お手本となるような接し方や対応を心がけましょう。

他の子どもたちの気遣いやケアも大切

発達障害の子どもがクラスにいる場合、特別扱いと思われるような個別支援や指導が必要となることもあります。

そんなときこそ、他の子どもへの気遣いが大切になります。

例えば、ADHDの子どもが授業中に歩き回るとき、「○○さんが歩き回っています。注意してください」など他の子どもからクレームがつくことも考えられます。

ここで重要なポイントは、他の子どもは反発しているのではなく「自分の頑張っていることを認めてほしい」と主張していることに教師が気づくことです。

発達障害の子どもの支援や指導にばかり気を取られすぎず、他の子どもも含めたクラス全体を考慮した対応を心がけましょう。

◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授の上野一彦先生執筆・監修「図解よくわかるLD(学習障害)(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。