発達障害を認めない親、教師の対応と対処法について

発達障害を認めない親、教師の対応と対処法について

子どもの発達障害を認めない親も実際には少なくなく、教師としては適切な対応や対処法をとることが求められます。

発達障害の子どもをサポートしていくためには、保護者と教師との信頼関係、学校と家庭との情報交換が必要です。

子どもの発達障害を認めない親も

ADHDやLD学習障害など、子どもの発達障害を認めない親、また障害の存在に気づいていない親も実際にはいます。

そうした保護者に対して、学校の教師が「お子さんには発達障害が疑われます」と急に指摘すると、保護者はショックを受けたり、逆に教師や学校に対して不信感や強い反感を持つこともあります。

また、子どもの発達障害に気づいているのにもかかわらず、それを認めない親もいます。

今までの間に、まわりの人から「親のしつけが」「子育てが原因では?」など心ない言葉を言われて心が傷つき、無意識で問題を避けようとしていることが原因と考えられます。

学校の教師の対応として大切なことは、保護者の気持ちに寄り添った接し方が求められます。

学校での子どもの様子を見てもらうことも

親が「うちの子は発達障害じゃない」「学校で問題にされるのが嫌」と拒否する親もいます。

保護者が子どもの発達障害を受け入れないと、子どもへの適切な支援ができません。

その場合の教師の対処法としては、実際に学校での子どもの様子を見に来てもらう、というのも有効な方法の一つです。

また、クラス全体の様子や授業風景などをビデオに撮り、まわりの子どもと違う点や、学校と家庭での子どもの違うところなどを親に質問すると良いでしょう。

教師の対応として大切なことは、決してあせらず、親に「子どもを切り捨てようとしているのではなく、どう対応すればいいか一緒に考えてくれる味方だ」と信頼関係を築くことです。

発達障害を誤解している親も多い

子どもが発達障害である場合、保護者の多くは「甘やかしたせい」「厳しくしすぎた」などと、自分の子育てを後悔することも少なくありません。

また、子ども本人にやる気がないから、努力不足が原因だ、と本人の性格や姿勢を責めることもあります。

発達障害の原因は子育てでもなく、本人の努力不足や性格ではないことは医学的にも認められているのですが、まだまだ誤解している保護者も少なくありません。

頭ではわかっていても、まわりの人からの非難などで自責の念が強くなったことや、心理的ストレスが積もり積もっていることも影響しているかもしれません。

教師としては、親の心労や精神的ストレスをねぎらいながら対応していくことが大切です。

発達障害の子どもの問題点の伝え方は?

学校における発達障害の子どもの問題点を親に伝える際にも、言葉や表現には注意しましょう。

例えば「文章を読むのが苦手です」というよりも、「発表することは得意です。言葉の遅れはなく、視覚情報の処理が弱く、字の形や文章を区切ることが難しいだけのようです」と、問題の背景についても簡潔に説明するとよいでしょう。

「親が悪いわけでもない、子ども本人が悪いわけでもない」と、教師は保護者に伝えることで、教師と親の間の信頼関係も確かなものになることでしょう。

◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授の上野一彦先生執筆・監修「図解よくわかるLD(学習障害)(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。