発達障害の子どもがいる家族の対応と心がけ6つのポイントとは
発達障害とは、LD学習障害、ADHD、アスペルガー症候群、高機能自閉症などの子どもの発達過程に生じる障害のことです。
家族のなかに発達障害の子どもがいる家庭では、対応方法や工夫、心がけにおいて6つのポイントがあるので、今回はその内容を紹介したいと思います。
発達障害の家族の対応と心がけ6つのポイント
発達障害の子どもがいる家庭では、親や家族は次の6つのポイントを心がけるとよいとされています。
①子どもにかまいすぎない
②命令や禁止しすぎない
③子どもをほったらかしにしない
④甘やかしすぎない
⑤両親は子供の発達障害について共通認識を持つ
⑥子育ての方針は夫婦で統一する
それぞれのポイントについてもう少し詳しく見てみましょう。
①子どもにかまいすぎない
子どもが発達障害だと、親としては何かと手がかかるのは仕方がないことです。
ですが、子どもが苦手だからといって、親がかまってばかりだと、いつになっても子どもはひとりでできるようになりません。
「こうしなさい」と親が指示を出しすぎると、発達障害の子どもが指示待ち状態になり、自分で考えて行動する能力が育たなくなってしまうので注意しましょう。
②命令や禁止しすぎない
発達障害の子どもの子育てにおいて「しっかりとした大人に成長してほしい」という親の想いがからまわりしてしまい、厳しく育てすぎてしまうこともあります。
「あれもダメ、これもダメ」と命令や禁止が多くなると、発達障害の子どもの自尊心や自立心が育ちにくくなってしまいます。
厳しく育てることは大切ですが、ときには少し離れたところから子どもを見守ってあげるようにしましょう。
③子供をほったらかしにしない
発達障害の子どもの自立心を育てようとして、なんでも子どもの自由にさせてしまう対応もあまりよくありません。
とくに発達障害の子どもは「自分の好きにしていい」と言われても何をすればいいのかわからなくなってしまい、逆に混乱してしまうこともあります。
子どもを放任せずに、適度に関わり、適度に自由にさせてあげることが大切です。
④甘やかしすぎない
当然のことですが、発達障害の子どもを甘やかしすぎることもよくありません。
また、子どもが何をやってもしからず黙認することも、甘やかしにつながります。
善悪の判断や心のたくましさを身につけていくためにも、親が発達障害の子どものいいなりになるようなことは避けましょう。
⑤両親は子供の発達障害について共通認識を持つ
ADHDやLD学習障害、アスペルガー症候群、高機能自閉症などの発達障害について、両親で共通の認識をもつことが大切です。
正しい知識を持ち、子どもの様子について家族で話し合い、情報交換を行いながら理解するようにしましょう。
⑥子育ての方針は夫婦で統一する
どんなしつけをするのか、どんな子育てをするのか、夫婦で方針を統一することが大切です。
ほめる、しかる、注意するなど、発達障害の子どもへの接し方にはいろいろあるのですが、一貫性でブレない姿勢で親が関わることがポイントです。
その日の気分やそのときの感情だけで、対応方法を変えることは子どもを混乱させてしまい、不安な気持ちにさせてしまいます。
◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授の上野一彦先生執筆・監修「図解よくわかるLD(学習障害)(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。