【学習障害LD】職場の対応は?仕事の教え方、対処法について
LD学習障害など発達障害の人との接し方、職場の上司や同僚とはどのように対応すればよいのでしょうか。「どう接すればいいの?」と迷ってしまう人も少なくないと思います。
そこで今回は、LD学習障害の社員に対する職場の対応、仕事の教え方、接し方についてポイントをまとめてみたいと思います。
【LD学習障害】職場での対応は?
まず最初に、職場での対応について。
LD学習障害の人は、仕事のやり方を理解できれば能力を発揮できることが多いのですが、一度にたくさんのことを支持すると、混乱してパニックを起こしたり、何をどうすればいいかわからなくなってしまう傾向があります。
LD学習障害に対する職場の対応として望まれるのは、できるだけ簡潔に、かつ具体的に指示を出すことです。
仕事の教え方においては、言葉で説明するだけでなく、文書や手順を紙に書いて見えるところに貼っておいたり、図や写真などを利用して視覚的にも理解できるような工夫が有効です。
LD学習障害だから仕事ができないわけではなく、理解すればちゃんと仕事をこなす能力があることを理解することで、コミュニケーションが今までよりもスムーズになるはずです。
LD学習障害、仕事の教え方や指導方法について
LD学習障害の人に能力を発揮させるためには「仕事のやり方をちゃんと理解させること」が何より大切です。
先ほど書いたように、言葉で伝えるだけでなく、写真やイラストを使い、目で見て分かるように工夫した教え方が有効です。
また、指示を出しっぱなし、説明しっぱなしではなく、本人がちゃんと理解できているか確認することも大切です。「そう、それいいね」「そこはこうしたほうがもっといいよ」など、丁寧かつ適切なフィードバックも重要です。
職場の先輩や同僚など、LD学習障害の人の仕事の手助けとなる人を近くに配置する「ピア・チュータリング」という指導体制も有効です。
本人のやり方を尊重する
LD学習障害など発達障害の人が働く上では、一般的な方法ややり方を押し付けるよりも、本人に合った方法や得意なやり方を尊重した方が仕事もスムーズになりやすいものです。
多少手間が増えても、確実に仕事をするためにノートにメモをする、本人のやりやすい方法を認める、と可能な範囲で許容できるとよいでしょう。
気軽に質問できる関係と雰囲気作りを
これはLD学習障害など発達障害に限らず、仕事の質を高めて生産性を向上させるためには、気軽に相談したり質問できる関係、雰囲気が大切です。
勝手な判断で仕事を進めて大きな損害が発生してからでは遅いのです。
わからないことがあったら、上司や先輩、同僚に質問したり相談できる良い関係、雰囲気作りが上司には求められます。
仕事の教え方や指導のポイント【LD学習障害】
職場において、LD学習障害の人を指導する際、仕事の教え方においては次のポイントを心がけるとよいでしょう。
・言葉だけでなく、イラストや写真を活用して、目で見て分かるような教え方をする
・理解したかどうか、ちゃんと本人に確認する
・フィードバックを行う
・先輩や同僚など手助けをする仲間を配置する
・本人の得意なやり方や方法を尊重する
・努力と成果を評価する
・必要な助言を求めることをすすめる
◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授の上野一彦先生執筆・監修「図解よくわかるLD(学習障害)(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。