ADHDは運動やスポーツが苦手なタイプも?ケガが多い、ルールが守れない

ADHDは運動やスポーツが苦手なタイプも?ケガが多い、ルールが守れない

ADHDの中には、運動やスポーツなど体を動かすことが苦手なタイプの子どももいます。

そこで今回は、運動やスポーツが苦手、ケガが多い、ルールが守れない、といったタイプのADHDの対処法と対応ポイントについてまとめてみたいと思います。

運動やスポーツが苦手なADHDも

発達障害のひとつであるADHDの主な特徴は、①多動性、②衝動性、③不注意、の3つです。

その特性の影響もあってか、運動やスポーツが苦手なタイプのADHDの子どももいるようです。

・運動やスポーツが苦手
・ケガが多い
・ルールが守れない
・整列できない
・チームプレイが苦手

これらは、ADHDだけ、というよりも、LD学習障害やアスペルガー症候群、高機能自閉症など、さまざまな発達障害の子どもにみられるといえます。

運動やスポーツが苦手、整列できない【発達障害】

発達障害の子どもの中には、ちゃんと整列できない、といった体育が苦手なタイプもいます。

例えば、LD学習障害で空間認知にかたよりがある子どもの場合、運動場や体育館でどこにならべばいいか分からない、ということがみられます。

また、ADHDの不注意のタイプだと、気が散りやすく、集中力が続かないこともあり、いつもの教室とは違う環境になっただけでも、注意散漫になってしまいやすいのです。

他にも、自閉傾向が強い発達障害の子どもであれば、まわりの子どもと関わることに興味がないため、整列して並ぶことにも無関心だったりします。

教師の対応、対処法は?

きちんと整列できない発達障害の子どもへの教師の対応、対処法はどうすればよいのでしょうか。

空間や位置の認知に偏りがあったり、注意力散漫になってしまう発達障害の子どもの場合、並ぶ位置を「田中さんの後ろ」と分かりやすいように決めてしまうのも有効な方法です。

また、整列するときの前後左右のまわりの間隔は広めにとっておくとよいでしょう。

回れ右、前ならえ、などの指示の際、空間認知や位置感覚が弱い子どもの場合、隣や前後の子どもとぶつかりやすい傾向があるからです。

また、左右を間違いやすい発達障害の子どもの場合、回れ右で逆の左まわりをしてしまうこともあるので、教師は注意しましょう。

跳び箱やマット運動が苦手な発達障害の子ども

ADHDなど発達障害の子どもの中には、跳び箱やマット運動など全身を使う運動やスポーツを苦手とする子どももいます。

跳び箱やマット運動ができない理由は、全身の動きを強調させる機能の発達が未熟なことが原因と考えられています。

教師の対処法、教え方や指導方法は?

全身の協調運動の機能を高めるためには、ひとつひとつの動きの流れを、写真やビデオで段階的にあらわすことで、イメージがつかみやすくなるようです。

例えば、跳び箱であれば「助走→踏み切る→ジャンプ→手をついて飛び越える→着地」と、一度に全部の動作を教えるのではなく、ひとつひとつに区切った指導をすることで、発達障害の子どもも練習しやすくなります。

他の子どもとどこが違うのか、ビデオを撮って本人に見せるのも、イメージのサポートとなり、上達につながりやすいといえます。

また、ADHDの子どもの場合、衝動的な行動を抑制するためにも、「ひと呼吸おいて」など落ち着かせながら取り組むとよいでしょう。