ADHDは暴れる病気?キレやすい?暴力や暴言が多い発達障害の対処法
ADHDなど発達障害の子どもは、感情のコントロールが苦手な傾向があり、突然怒り出す、キレやすい、暴れるなど、暴力や暴言が目立つこともあります。
親や教師などのまわりの大人は、ADHDの子どもが他の友達と問題に発展しないように、適切な支援、対応が求められますが、どのような対処法があるのでしょうか。
ADHDは暴れる病気?キレやすい傾向も?
ADHDの衝動性が強い発達障害の子どもは、ちょっとしたことでもカッと興奮しやすく、暴れたり、友達に暴力をふるったり、暴言を吐いてしまうことがあります。
ADHDの子は、自分の思い通りにならないと、遊んでいたおもちゃや手にしていた物を投げてしまうこともあり、まわりの子どもや保護者からは「すぐ怒る、暴れる、キレやすい子」と思われることも少なくありません。
幼稚園や小学校の教師は、他の保護者から苦情やクレームが出ることもあり、適切な対処が求められます。
なぜADHDはキレやすいのか?すぐ怒る原因は?
ADHDなど発達障害の子どもが、カッとなってすぐ怒ってしまう原因はいろいろ考えられます。
例えば、がんばっているのにうまくできない、自分の気持ちを上手に伝えられない、ゲームに負けたなど、もどかしさや悔しい気持ち、心理ストレスなどを、ADHDの子どもはうまくコントロールできない結果、「キレやすい子ども」になってしまうことが多いのです。
ADHDなどの発達障害がある子どもは、コミュニケーション能力などソーシャルスキルが未熟なこともあり、暴力をふるう、乱暴をするという意図がなくても、自己防衛として手が出てしまうケースもあります。
キレやすいADHDの暴力や暴言の対処法は?
ADHDの子どもが暴れたり、キレて怒り出したとき、どのような対処法がよいのでしょうか。
一般的な対応として考えられるのは、「やめなさい!」と教師が大きな声で叱ったりする対応ですが、このような対応ではADHDの子どもの興奮をさらに煽ることになってしまいかねません。
暴れる、キレる、怒るなど、暴力や暴言がひどい発達障害の子どもの対処法として大切なのは、冷静に対応することです。
例えば、ADHDの子どもが暴れるときは、子どもが怪我をしないように体を抑えて、落ち着いた口調で「静かにしようね」と声をかけるのも有効です。
保健室や別の教室に連れて行き興奮状態を鎮める
興奮して暴れたり、急に激しく怒り出してしまったADHDの子どもの対処法として、一旦別の場所、例えば保健室や空いている教室などに連れて行くのも有効な対処法のひとつです。
ADHDなど発達障害の子どもは、興奮しているときは自分の気持ちをおさえることができず、感情を爆発させてしまい、暴力や暴言に発展してしまうこともありますが、しばらくすると落ち着いていきます。
担任教師が付きそうことが難しければ、補助教員が子どもに付き添い、気持ちが落ち着くのを待ちましょう。
感情が安定してくると、ADHDの子どもは「またやってしまった」など自責の念を感じ、別人になったかのようにおとなしくなることもあります。
落ち着いてからADHDの子どもの話を聞く
ADHDなど発達障害の子どもの興奮が落ち着いてきたら、本人から話を聞きましょう。
なぜ怒り出したり暴力をふるったのか、どうすればよかったと思うのか、など、発達障害の子どもを叱るのではなく、おだやかな口調で質問するようにしましょう。
自分の言葉でうまく話せない発達障害の子どもであれば、教師からいくつか考えられる原因をあげて、一番近いものを教えてもらう、という方法もあります。
発達障害の子どもの変化をキャッチすること
ADHDなど発達障害がある子どもの場合、一回の注意で暴力や暴言などの問題行動が改善されるというより、何度か繰り返されるのが一般的です。
問題行動が繰り返されている子どもの場合、うまくできなかったことよりも「変化」を見つけることが改善につながります。
例えば「これまでは友達を叩いていたけれど、今日は壁をけっただけだったね」など、発達障害の子ども本人が自分の気持ちをコントロールしようとしていることを評価します。
その積み重ねによって、ADHDなど発達障害の子どもは「もう暴力はやめよう」という意識が強くなり、自分の感情をコントロールすることへとつながるのです。
教師との信頼関係が大切
暴力や暴言が目立つ発達障害の子どもは、「やめなさい!」「あばれてはダメ!」「暴力はいけません!」など、大人から叱られたり注意をたくさん受けてきていることでしょう。
その結果、誰も自分のことをわかってくれない、理解してくれない、いつも僕が悪者にされるなど、被害感情を感じやすく、暴力行為が悪化してしまうこともあります。
そのような発達障害の子どもの対処法として大切なことは、「ルールをちゃんと守り、まわりの人に迷惑をかけないこと」など社会性を身につけさせることではありません。
まず大切なのは「この先生はわかってくれる」と発達障害の子どもと教師の間に信頼関係を築くことです。その信頼関係を土台として、教育が可能になっていくのです。