【発達障害の進路選択】中学卒業後は高校進学?特別支援学校?専門学校や就職も
ADHDやLD学習障害などの発達障害がある子どもの場合、中学卒業後は高校へ進学するのか、それとも特別支援学校に行くのか、定時制に通うのか、など多くの選択肢があります。
そこで今回は、発達障害の子どもの中学卒業後の進路選択についてポイントをまとめていきたいと思います。
発達障害の子どもの中学卒業後の進路選択の種類について
ADHDやLD学習障害など発達障害の子どもの中学卒業後の進路選択について、大きく分類すると次の5つの種類があります。
発達障害がある子どもの得意なことや苦手なこと、弱点や興味があることなどを考慮しながら、できるだけ早い時期から進路を視野に入れておきたいものです。
①高校
普通高校、工業高校、商業高校、全日制、定時制、通信制、単位制など
②高等専修学校
職業技術専門学校、専門学校高校課程など
③特別支援学校
軽度対策校、高等特別支援学校など
④フリースクール
私立学校、塾など
⑤就職
一般就職、障害者雇用、アルバイト、パートなど
発達障害の進路選択、6つのポイント
ADHDやLD学習障害など発達障害がある子どもの中学卒業後の進路選択について、次の6つのポイントを考慮しながら選ぶとよいでしょう。
①親や教師は、必要な情報を集め、発達障害の子どもの進路選択の幅を増やす
②発達障害の子ども自身の能力や長所、苦手や分野、得意なことを理解し、最もふさわしい進路を選ぶ
③失敗を怖がらないこと
④美術や音楽、工作など、実技教科が得意な場合、専門学校への進路も有り
⑤高校卒業後、大学への進学を考えていない場合は、就職指導がしっかりしている高校を選ぶ
⑥学校説明会やオープンスクール、文化祭など、発達障害の子どもと一緒に学校見学に行き、雰囲気などを確認する
子ども本人の意思を優先して進路選択する
発達障害がある子どもの進路選択をする際、本人の意思を優先して決めることが大切です。
また親も「本人が選んだ道だから」と子どもを信じることが重要になります。
発達障害の子どもの進路選択でのポイントは、子どもが自分の能力や得意分野を理解して、可能性のある目標を立てることです。
目標が高すぎると、努力しても報われることなく挫折してしまうことになりますし、うまくいかない原因を「学校が悪い」「親が悪い」と責任転嫁をしてしまうことにもなりかねません。
失敗を怖がらず、軌道修正していく
発達障害に限らず、すべてがうまくいく人生はありません。
思い通りにいかないから、失敗したからといって、否定的にとらえるのではなく、物事を肯定的にとらえることが大切なのです。
目標が高すぎる、達成が困難、失敗した、というときは、軌道修正をしていきましょう。
自分の長所や得意分野を理解し、また弱点や短所を客観的に観察し、可能性のある目標に進んでいきましょう。
「発達障害だから無理」と否定的にとらえていると、何事においても失敗してしまうことでしょう。
その結果、自暴自棄になって二次障害に発展してしまうこともあるので注意が必要です。
◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授の上野一彦先生執筆・監修「図解よくわかるLD(学習障害)(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。