境界性人格障害は女性が多い?男女比率は?女性の方が重症化しやすい

ID-10072072

境界性人格障害は女性が多い?男女比率は?女性の方が重症化しやすい

男性よりも女性の方が、境界性人格障害の人数割合が多いといわれています。

また、女性の境界性人格障害の患者さんの方が重症になりやすい、とも考えられています。

境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の患者の男女比率について、女性の方が重症になりやすいのか、について詳しくみてみましょう。

女性の方が男性より患者数が多い[境界性人格障害]

境界性人格障害(ボーダーライン症候群)は、女性の方が男性よりも患者人数が多いといわれています。

病院を受診して境界性人格障害の治療を受けているケースを調査したところ、男女比率は、男性25%、女性75%となっています。

女性の患者割合の方が男性よりも約3倍〜4倍多い数字が出ています。

これが、境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の患者は、圧倒的に女性が多いといわれている理由です。

女性の方が重症になりやすい[境界性人格障害]

女性の境界性人格障害の患者の方が重症になる人が多くみられるのは、女性ホルモンが境界性人格障害を症状を悪化させる原因となっているからといわれています。

思春期の中学生や高校生の年齢から、20代・30代前半にかけて、女性の境界性人格障害の症状が悪くなりやすいのも女性ホルモンの影響です。

逆にもう少し年齢が上がって、女性ホルモンの分泌量のピークを過ぎる30代後半から40代以降になると、境界性人格障害の症状が軽減して、自然に落ち着きやすくなるのも、女性ホルモンの分泌が影響していると考えられます。

女性の方がうつ病が多いのも女性ホルモンが原因

女性ホルモン(エストロゲン)には、潔癖性や感情的な反応を強くする働きがあり、不安やうつになりやすい作用があります。

女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量の変動は、体調だけでなく気分や感情にも大きな影響をあたえやすいのです。

女性の生理前や生理中などに、イライラしたり落ち込んだり、情緒不安定になりやすいのも、女性ホルモン(エストロゲン)の影響が考えられます。

境界性人格障害だけでなく、うつ病の有病率や男女比率においても、女性の方が男性よりも高くなっていて、ここにも女性ホルモン(エストロゲン)の影響があるようです。

潜在的な境界性人格障害は男性にも多い?

病院に通院して治療をしている境界性人格障害の患者さんを対象にした調査データでは、女性の方が男性よりも圧倒的に多い、となっていますが、一般人を対象にした調査では少し違う数字になるようです。

境界性人格障害の症状のない一般人を対象にした調査データによると、潜在的に境界性人格障害の要件を満たしている割合では、男女比率に大きな差はなく、男性にも女性にも同じくらいの人数だったそうです。

とはいえ、女性の境界性人格障害の症状の方が女性ホルモンの影響で悪化しやすく、自殺企図や自傷行為(リストカット)をする人にも女性の方がかなり多くみられます。

その結果、境界性人格障害の治療をするために病院を受診する女性の割合が増加していることが予測されます。

【まとめ】

・境界性人格障害の患者の男女比率は、男性25%、女性75%と、女性の方が多い
・女性の境界性人格障害の方が重症になりやすい
・女性ホルモン(エストロゲン)には、境界性人格障害の症状を悪化させる働きがある
・うつ病も女性の方男性より多い
・潜在的には男女比率に大きな差はない
・自殺企図や自傷行為(リストカット)も女性の方が多い

◆この記事は、パーソナリティ障害の臨床の第一人者であり岡田クリニック院長の岡田尊司先生執筆・監修「ササっと分かる境界性パーソナリティ障害(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。