ADHDは境界性人格障害になりやすい人?トラブルメーカー

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ADHDは境界性人格障害になりやすい人?トラブルメーカー

子供の頃に発達障害のADHDだった人は、境界性人格障害(ボーダーライン症候群)になりやすい人ではないか、と言われています。

周りの人から「トラブルメーカー」と思われる意味では、似ているADHDと境界性人格障害ですが、実際、ADHDの人は境界性人格障害になりやすい人なのでしょうか。

ADHDだと境界性人格障害になりやすい?

最近、専門家の間で注目されているのは、子供の頃にADHDだった人は、成長するにつれて境界性人格障害(ボーダーライン症候群)になりやすいのでは、という点です。

実際に、境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の人を調査したデータでは、境界性人格障害の人のうち、30以上が子供の頃にADHDだったそうです。

ただ、境界性人格障害(BPD)と診断された時においても、ADHDの診断基準に該当する人の割合は、約1割くらいといわれています。

ADHDの子供が境界性人格障害になりやすい原因は?

境界性人格障害(BPD)の人の中に、子供のときにADHDだった人数が多い原因はどんなことが考えられるのでしょうか。

専門家の間では、ADHDも境界性人格障害のどちらにも、「非共感的で支配的な養育」が共通していることが大きな原因ではないかと予測されています。

ADHDは、生まれついた先天的な気質に加えて、非共感的で支配的な養育環境が加わったときに症状が強まりやすいと家が得られています。

この「非共感的で支配的な養育環境」は、境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の発症原因のひとつでもあります。

また、ADHDも境界性人格障害も、どちらも感情の波が激しいという点についても共通しています。

どちらもトラブルメーカー?ADHDと境界性人格障害

ADHDの子供は、まわりの人から見ればいわゆる「トラブルメーカー」に見えるため、自分のことをなかなか理解してもらうことができません。

境界性人格障害の人も、ADHDと同じように、感情の波が激しく、すぐ怒る、キレやすいなど特徴的な症状がみられます。

ADHDも、境界性人格障害も、トラブルメーカーという点では共通していると言えます。

子供の頃にADHDを発症し、成長して境界性人格障害を発症する

ADHDの子供は、その症状の影響で、ADHDという障害や、自分自身のことを理解してもらうことが難しく、誰かに共感してもらったり、受容=受け入れてもらう、という体験が少なくなってしまいます。

誰にも理解してもらえず、愛情不足になりやすいADHDは、精神的にも不安定になりやすく、境界性人格障害の発症の可能性が強くなる環境的な要因があります。

子供の頃にADHDを発症して、成長して思春期や大人になってから、境界性人格障害(BPD)を発症する、という流れが考えられます。

【まとめ】

・子どもの頃にADHDだと、大人になってから境界性人格障害になりやすい
・非共感的で支配的な支配環境、という点でADHDと境界性人格障害は共通している
・ADHDも境界性人格障害も、まわりから見るとどちらも「トラブルメーカー」に見える
・子供の頃にADHDを発症し、大人になってか境界性人格障害を発症する流れが多い

◆この記事は、パーソナリティ障害の臨床の第一人者であり岡田クリニック院長の岡田尊司先生執筆・監修「ササっと分かる境界性パーソナリティ障害(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。