境界性人格障害の併発にうつ、依存症、不安障害が多い原因は?
ボーダーライン症候群(境界性人格障害/境界性パーソナリティ障害)は、他の精神疾患(精神病)と併発を起こしやすいといわれています。
境界性人格障害と併発を起こしやすい精神疾患の種類、原因について詳しくみてみましょう。
境界性人格障害が併発を起こしやすい原因は?
境界性人格障害は他の精神病と併発を起こしやすいという調査データがあります。
境界性人格障害に併発が多い原因として考えられるのは、境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の患者さんの心の不安定さにあります。
心の中に深い傷や寂しさ、孤独感や不安など、ネガティブな感情が渦巻いているので、そういった情緒不安定な人がかかりやすい精神疾患に、境界性人格障害の人が併発を起こしてしまうのです。
うつ病や恋愛依存にもなりやすい
境界性人格障害(ボーダーライン症候群)と併発する精神疾患には、例えば、うつ病、不安障害、依存症、摂食障害、解離性障害、などがあります。
うつ病では、一年中、気分が落ち込んで否定的な感情や考えに飲み込まれてしまう気分変調症が多いようです。
買い物依存、恋愛依存やセックス依存など、愛情に飢えた心を別の行為(代償行為)で満たそうとするケースもあります。
解離性障害や統合失調症に似た症状も
また、万引きをしたり、不倫をしたり、という境界性人格障害の患者も多いのも、心のどこかに満たされない不安を感じていることのあらわれと思われます。
意識や記憶が一時的に飛ぶ解離性障害も、境界性人格障害の併発にみられる精神疾患です。
幼少期の虐待や性的虐待、レイプ体験などの心の傷=トラウマがある場合にみられるケースです。
一時的に幻聴や被害妄想などの症状があらわれることがあり、統合失調症を誤診されることもありますが、境界性人格障害の場合は一定期間を過ぎれば、幻聴や妄想は回復していきます。
愛着障害が併発を生む?
境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の人は、心の根底に愛着障害を抱えていると考えられます。
不安定な愛着関係や、情緒不安定さ、ネガティブな思考や気持ち、愛情に飢えて満たされない心、極端な好き嫌いの対人関係、など、境界性人格障害の精神的な不安定さや未成熟さが、他の精神疾患との併発を生みやすい要因と考えられます。
【まとめ】境界性人格障害と併発をおこしやすい精神疾患
・ADHD
・うつ病
・不安障害
・パニック障害
・パチンコ依存
・アルコール依存
・性依存
・恋愛依存
・摂食障害(拒食症/過食症)
・PTSD(トラウマ)
・解離性障害
◆この記事は、パーソナリティ障害の臨床の第一人者であり岡田クリニック院長の岡田尊司先生執筆・監修「ササっと分かる境界性パーソナリティ障害(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。