口下手で無口な発達障害?ADD(注意欠陥障害)の対応と接し方について

口下手で無口な発達障害?ADD(注意欠陥障害)の対応と接し方について

口下手で言葉数がすくない、無口であまり話さないのは、ADD(注意欠陥障害)の子どもにみられる傾向のひとつです。

言葉がうまく出てこない、話があちこち飛ぶ、一方的に話し続ける、などの発達障害の子どもに対して、どのように対応&対処すればよいのでしょうか。

ゆっくり時間をかけて話を聞くことが大切

ADD(注意欠陥障害)など、話すことが苦手な発達障害の子どもは、自分の気持ちや考えをうまく表現することが苦手です。

うまく話せない、語彙(ボキャブラリー)も少ないこともあり、話こと自体が嫌だと感じる発達障害の子どももいます。

そうした子どもの対応として大切なことは「ゆっくりと時間をかけて話をきくこと」です。

あいづやオウム返しをしながら聞く

ADD等の発達障害など話ことが苦手な子どもの話を聞いてあげるときは、「ゆっくりでいいよ」「大丈夫」など声かけをしながら、子どもの緊張を解きほぐして話やすくしてあげましょう。

また、子どもが話した後には「○○ということなんだね」とオウム返しをして繰り返すのもおすすめです。

間違った言葉遣いがあったり、「が」「に」「を」など付け足す言葉があれば、指摘して正しい言葉遣いを教えましょう。

会話の楽しさを体験させる

話すこと自体が苦手だったり、嫌がる傾向がある発達障害の子どもには、会話の楽しさを体験させることが大切です。

教師や親と一対一でゆっくりと会話ができる時間をつくり、学校や家での出来事など、子どもが苦痛を感じにくい話題からスタートしましょう。

発達障害の子どもがうまく話をできたときは、その都度ほめて話すことに自信を持たせるようにし、他の子どもの中にも入っていけるようにサポートしましょう。

クラスメイトや友達の協力も大切

話すことが苦手な発達障害の子どもは、自分から話しかけることもなく、聞かれたことにもうまく答えられません。

そうした発達障害の子どもに対して、他の子どもたちは距離を置くようになりがちです。

それではますます会話が少なくなり、話す気持ちもなくしてしまいかねないので、クラスメイトや友達の協力も大切になります。

発達障害の子どもが意味不明な答えをしても、バカにしたり笑ったり、からかわないように教師は注意しましょう。

話が苦手な発達障害の子どもに声をかけるときは、ゆっくり、わかりやすく、簡潔な言葉で話しかけるのがポイントです。

発表会や劇などを嫌がる発達障害の子ども

発表会や学芸会は、発達障害の子どもにとっては大きなストレスとなる可能性があります。

劇のセリフが覚えられない、動きを記憶できない、自分の出番がいつなのか理解できない、など、いろいろな理由があります。

また、イメージすることが苦手な場合、作り話を演じること自体がよくわからないため、セリフを覚えられなかったりします。

例えば、「犬は話ができないのに、なぜこんなことを言うの?」と疑問に思ったりするのです。

他にも、劇をしている最中に相手から言われたことを、自分に言われたことと受け止めてしまい、急に怒り出してしまうケースもあります。

短期記憶が苦手、集中力が続かない、というADHDの特徴も、学芸会や発表会を苦痛に感じる種のひとつです。

発達障害の子ども発表会や学芸会では、子ども本人がストレスをあまり感じにくい、緊張しにくいような位置で演じられるように配慮してあげるとよいでしょう。

◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授の上野一彦先生執筆・監修「図解よくわかるLD(学習障害)(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。