発達障害の子どもの自立心と自主性を高めるために|親の接し方
自分ひとりで考えて判断するということは、社会の中で自立して生きるために必要不可欠なスキルです。
発達障害の子どもの自立心と自主性を高めるためには、幼い年齢の頃から「自分で選ぶ」「自分で決める」という体験を積み重ねることが大切です。
発達障害の子どもの自主性や自発性を育てるために
自発性や自主性は、子どもが成長して社会生活をおくる上で重要になる要素のひとつです。
しかし、自主性や自発性は、生まれつき身についているものではなく、様々な体験を通して育んでいくものです。
そのためには、発達障害の子どもに「自分で考え、自分で選ぶ」という体験を積み重ねていくことが有効です。
考える力を育て、責任感を持たせる
「自分で考え、自分で決める」といっても、最初のうちから、多くの選択肢の中から選ばせることは、発達障害の子どもにとって難しいことです。
まずは、2つ、3つ程度の選択肢に絞って、その中から選ばせるようにするとよいでしょう。
選ぶものは今日着る服など、何でも構いません。
親が選んでしまった方が早く、より良いものを選ぶことができますが、大切なことは「自分で選ぶこと」です。
自分で考えて判断するという体験を繰り返すことで、発達障害の子どもに考える力が身につき、自主性や自発性が養われていきます。
親の相談数する習慣を身につけさせる
子どもが成長するにつれて、選択する場面や決断をせまられる状況も増えていきます。
自分ひとりではなかなか決めるのが難しいときには、周りの人に相談することができる能力も、社会生活の中では大切になります。
自分ではわからないとき、誰かに助けを求めることは、わからないまま失敗してしまうことよりも大切なことだと、発達障害の子どもに教えておくようにしましょう。
社会人になって「指示待ち人間」になるのではなく、自主性を持ち、自分で考え、分からない時には周りの人の意見を聞くことができることも大切なことです。
指示よりもアドバイスを|親の対応
発達障害の子どもに考えさせ、自分で選ばせるとき、親は指示するのではなくアドバイスするような心がけが大切です。
また「好きなようにすればいい」とか「自分で決めれないの?」などの言葉がけは、発達障害の子どもの自尊心を損なう可能性があるので注意が必要です。
また選択肢が多い中から「どれがいい?」と選ばせることは、発達障害の子どもにとってプレッシャーになり、ストレスと感じてしまうおそれもあるので気をつけましょう。
◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授の上野一彦先生執筆・監修「図解よくわかるLD(学習障害)(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。