時間感覚が弱い学習障害LDの子ども|時計が読めない・マイペース
発達障害のひとつ、学習障害(LD)の子どもの中には、やり始めたことを途中でやめられない、ゆっくりでマイペースな特徴を持っていることもあります。
また、時計が読めない、時間感覚が弱い学習障害(LD)の子どももいるので、それぞれの特性に合わせたサポートが必要です。
今回は、時間感覚が弱い、時計が読めない、マイペースな学習障害(LD)の子どもの支援やサポートについて書いてみたいと思います。
時間感覚が弱い学習障害(LD)の子どもも
学習障害(LD)の子どもは、時間がどれくらいたったか、あとどれくらいかかるのか、などの時間の感覚をつかむことができません。
まずは時計を用意して、その横に何時何分までに終わらせるかと書いた模型の時計を並べておくなどして、「あと5分」などの時間を意識して行動させるようにしましょう。
「あと5分」がどれくらいの時間か理解できない学習障害(LD)の子どもには、タイマーを活用するのもよいサポート方法です。
「あと30分ね」とタイマーをセットして、時間がきたら行動を変えるように促します。
子どもが時計を読めるようになってきたら、時計を利用する機会を増やしていきましょう。
会話の中で時間の感覚を養う
日頃の会話の中で「あと5分」「もう10分」「まだ3分」などの言い方を教えていくとよいでしょう。
例えば、外出するときに「9時になったら出かけるよ。今、何時かな?」と子どもに聞き、「8時50分」と答えたら「あと10分ね。9時になったら教えて」というような会話です。
子ども「9時になった」と教えてくれた場合は、「ありがとう。忘れずに教えてくれたね。」と、すぐにほめることも大切です。
学習障害(LD)の子どもに時間の感覚が身についてきたら、テレビを見る時間、宿題をする時間、ゲームをする時間、食事の時間、お風呂の時間、寝る時間、などを決めて、規則正しい生活になるようにサポートしましょう。
こうした関わり方は、学習障害(LD)の子どもの自立心を育てることにもつながります。
1日のスケジュール表を貼っておく
また、1日のスケジュール表を時計の近くに貼っておき、時間とともに何をしなければいけないか、子どもが自分で確認できるようにしておくとよいでしょう。
8時がお風呂に入る時間であれば、学習障害(LD)の子どもは時計とスケジュール表を見比べて「8時なのでお風呂に入る」と自分で行動できるようになっていきます。
学習障害(LD)の子どもは、ひとつのことが終わると次に何をすればいいのかわからない、という状態になることがたびたびあります。
スムーズに行動できないときでも、スケジュール表を見る習慣がついていれば、何をどれくらいの時間やればいいか自分で分かり、混乱してパニックになってしまうことも防げます。
◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授の上野一彦先生執筆・監修「図解よくわかるLD(学習障害)(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。