LD学習障害の原因は親の育て方や家庭環境の影響ではなく、脳の機能障害

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LD学習障害の原因は親の育て方や家庭環境の影響ではなく、脳の機能障害

LD学習障害の原因については、今現在も研究がされていてはっきりとした原因は解明されていないのが現状です。

まだLD学習障害の原因はわかっていませんが、生まれつきの脳の機能障害が原因であり、親の育て方や家庭環境とは無関係だと考えられています。

LD学習障害は親の育て方やしつけ、家庭環境が原因ではない

かつては「親の子育て、しつけ、家庭環境」の影響で発達障害、LD学習障害、ADHDの発症原因になるのではないか、といわれていました。

「ちゃんとしつけないから」など周囲から厳しい目で見られ、親が自分たちの子育てが失敗だった、と悩んだり苦しんだりするケースも少なくありませんでした。

ですが、今では多くの専門家が、育て方やしつけ、家庭環境は発達障害(LD学習障害、ADHD等)には関与しないことが認められています。

LD学習障害は親から子へ遺伝する?

LD学習障害が親から子へ遺伝するかどうかについては、医学的にはまだ解明されていないテーマです。

親子で顔が似ているように、脳の特徴が遺伝的に似てくる可能性はあるとは考えられます。

実際に、LD学習障害の子供を持つ親へのアンケート調査では、多くの親が自分が子供の頃に同じような傾向があった、と答えているようです。

ですが、100%遺伝するとまでは言えないでしょう。

親や他の兄弟にLD学習障害の人がいても「家族性がある」という程度の認識で、気になることがあるときは病院の医師や学校の先生に相談するようにしましょう。

LD学習障害の原因は脳の機能障害

人間の脳は、目や耳などの感覚器官からの情報を瞬時に処理しています。

LD学習障害は、この脳の機能において何らかの障害(エラー)が起きていることが原因と考えられています。

LD学習障害の場合、脳から情報を引き出したり、新しい情報と結びつけたりする脳の機能が少し弱かったり、聞く、話す、書く、計算するなどの学習障害の習得に関わる脳の機能に不具合が生じているのです。

◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授の上野一彦先生執筆・監修「図解よくわかるLD(学習障害)(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。