患者数が増加している自己愛性人格障害と境界性人格障害
現代の日本では、境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害)の患者数が年々増加していると話題になっています。
また、その境界性パーソナリティ障害と同じように、自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)も患者数が増加しているそうです。
自己愛性人格障害と境界性人格障害の違い
自己愛性人格障害(自己愛性パーソナリティ障害)は、自信過剰、夢見がち、誇大な願望や偉大な成功、他人に対して思いやりが欠如している、傲慢な態度、非共感的などが代表的な症状のパーソナリティ障害です。
自己否定が強い、自信がない、自尊心が低い、という境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)とはある意味正反対なほど違いがあるといえます。
自己愛性人格障害は、自己愛が大きな状態であるのに対し、境界性人格障害は、自己愛が小さくしぼんでしまっている状態といえます。
自己愛性人格障害と境界性人格障害の共通点
ですが、とらえ方によっては、自己愛性人格障害と境界性人格障害にはいくつかの共通点や類似点がみられます。
自己愛性も境界性も、どちらも理想的な自分像に強くこだわる傾向や、完璧主義な性格などはかなり共通しているといえます。
また、自己愛性人格障害も境界性人格障害も、どちらも自信喪失するような失敗体験や批判されるような出来事があると、急に情緒不安定になり、激しく怒るなど感情的な行動があらわれやすくなります。
自己愛性人格障害の人は、完璧な自分、過剰な自信を持ち傲慢な自分を演じることで、心の奥に隠れている弱い自分を隠そうとしているのです。
プライドとコンプレックスが同居して、過剰な自信で心のバランスをとっているような状態です。
◆この記事は、パーソナリティ障害の臨床の第一人者であり岡田クリニック院長の岡田尊司先生執筆・監修「ササっと分かる境界性パーソナリティ障害(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。