【LD学習障害】子ども本人への告知の仕方や説明方法について

【LD学習障害】子ども本人への告知の仕方や説明方法について

LD学習障害やADHDといった発達障害がある子ども本人に、どのように告知すればよいのか、説明の仕方について、親は迷うことも少なくありません。

「なんでもない」「気にしないで」など、ごまかしたり、はぐらかしたりするのは望ましくありません。

【発達障害】子ども本人への告知の仕方

LD学習障害やADHDなどの発達障害であることを、子ども本人には、いつ、どのようの説明して告知するべきか、親としては悩むものです。

それぞれの子どもの年齢や理解度によって告知の仕方は変わり、模範的な伝え方があるわけではなく、ケースバイケースといえます。

しかし、子ども本人に発達障害であることを伝える際には、次の3つのポイントをおさえておくことが望まれます。

①ごまかしたり、ただ励ましてはいけない

子ども本人が自分自身に疑問を感じるようになったとき、親が「何でもない」「気にしないで」とごまかしたり、発達障害であることを隠そうとする対応は、あまりよいとはいえません。

また、「もっとがんばりなさい」と、発達障害の子どもをただ励ますだけの接し方も避けたいところです。

子ども自身が「なぜ他のみんなと同じようにできないの?」「僕の頭はおかしいの?」と親に質問してくることがあるかもしれません。

そうした子どもの真面目な疑問に対して、親がごまかしたり、隠したりすると、親への信頼感を失うおそれもあります。

②子どもが理解できるように説明する

LD学習障害やADHDなど、発達障害であることを子ども本人に告知するときに大切なことは、子どもが理解できるように説明することです。

子ども本人が「何かおかしいかも?」と疑問を抱いたタイミングが、発達障害の告知するのに良いタイミングといえます。

一般的には、子どもが小学校高学年くらいに成長してくると、自分自身に疑問を感じやすくなるといわれています。

脳機能の障害などの説明では、低学年の子どもには難しいかもしれませんが「個性が違う」などの伝え方であれば理解しやすくなるでしょう。

③発達障害を言い訳にしないこと

発達障害(LD学習障害やADHD)であることを子ども本人に告知したり、病院で診断された後、発達障害であることを子どもが言い訳にしないことも大切です。

「だってLD学習障害だから、ADHDだから」と、子ども自身が、できないことの言い訳にしてしまうと、健全な成長を阻害する可能性があります。

子ども本人に発達障害を理解させる説明方法は

発達障害(LD学習障害やADHD)であることを子ども本人に説明する方法は、子どもの年齢によって理解力が違うため、ポイントが変わってきます。

小学校低学年(1年/2年/3年)の子どもであれば、ひとそれぞれ個性が違う、といった説明の方がよいでしょう。苦手なことやできないことを克服させようとするのではなく、できることや得意な分野を伸ばし、達成感や充実感を感じさせることも大切です。

小学校高学年(4年/5年/6年)から中学生の子どもの場合、脳機能についての話が理解できるようであれば、発達障害についてわかりやすく説明します。子どもの年齢が上がってくると、まわりの子と同じようにできないことを意識するようになり、悩んだりすることも多くなるので、診断名や特徴についても伝える方がいいでしょう。

子ども本人に発達障害(LD学習障害やADHD)であることを告知する際には、余計な不安や心配、不信感を感じさせないように気をつけながら、子どもの自尊心や自信を高めるような説明方法が大切です。

◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授の上野一彦先生執筆・監修「図解よくわかるLD(学習障害)(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。