[発達障害の子どもの支援方法]片付けられない、整理整頓を習慣づけるためには
机の中がぐちゃぐちゃになっていて、いつも探し物をして時間がかかってしまう発達障害の子どももいます。
そこで今回は、片付けができない、整理整頓ができない、という発達障害(ADHDやLD学習障害)の子どもの支援方法や対処法について書いてみたいと思います。
「きれい」言葉の意味が理解できない発達障害も
片付けられない、整理整頓ができない、という発達障害の子どもも少なくありません。
机の中のは、えんぴつ、消しゴム、のり、はさみ、プリントなどがごちゃまぜになっていて、汚れたハンカチやティッシュなどが入っていることもあります。
片付けられない、整理整頓ができない子どもの中には、どこに何を置くのかという空間・位置の認知が難しく、算数で筆算ができないことと同じ理由になります。
空間認知能力に障害があるLD学習障害の子どもは、親や教師から「机の中はきれいに片付けましょう」と言われても理解することができません。
指示を聞いていないわけではなく、性格がだらしないことが原因でもありません。
「きれい」という言葉がどのような状態なのか、どうすれば「きれい」になるのか、意味が理解できないのです。
どこに何を置くのか、視覚的な教え方を
空間・位置の認知能力に障害があるLDの子どもには、どこに何を置くのか、について視覚的な教え方が有効です。
机の中は仕切りをつくり、えんぴつや消しゴムなど、そこに入れる物の絵や写真を貼っておくと、物と位置の関係が目で見てわかるようになります。
最初のうちは、「ここはえんぴつ」「ここはのり」というように言葉で言いながら子どもを一緒に片付けるようにして、徐々に子ども一人で片付けができるようにサポートしましょう。
あまり細かくしすぎるとLD学習障害の子どもに負担になるので、おおまかに分類するように注意するとよいでしょう。
絵で服の調節を伝える方法も
夏の暑い日にコートを着ていたり、冬の寒い日に半袖シャツを着ていたり、衣服に関して無頓着な発達障害の子どももいます。
原因として考えられるのは、気温の変化に合わせて自分で衣服を調節できない、温度感覚が鈍いことです。
そうした子どもの場合には、外の気温に合わせて何を着ればいいか、絵やイラストを活用して示しておくと有効です。
また、身だしなみを整える習慣をつけることも大切です。
手先が不器用な発達障害の子どもの場合、ボタンの掛け違いや、スソがズボンから出ててだらしない格好になっていることも少なくありません。
家の玄関に鏡を用意して、出かけるときに自分の服装、身なりをチェックする習慣をつけさせましょう。
◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授の上野一彦先生執筆・監修「図解よくわかるLD(学習障害)(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。