学習障害LDの理解度チェックリスト
学習障害LDは、誤解や間違った情報や理解が多い発達障害でもあります。
学習障害LDの理解度チェックをQ&Aの形でまとめてみたので、参考にしてみてください。
Q.学習障害LDは育て方や家庭環境に原因がある?
【×】
学習障害LDは、情報を処理する脳の仕組みに特徴があることが原因で、親のしつけや子育て、家庭環境が原因になるものではありません。
Q.学習障害LDは親から子供へ遺伝する?
【×】
学習障害LDは、生まれたときに脳の発達が未成熟だったこともひとつの要因といわれていますが、遺伝で起こるという根拠は解明されていません。
Q.学習障害LDかどうかは、3歳児健診で分かるケースが多い?
【×】
自閉症などの発達障害は3歳児健診で見つかることもあるのですが、学習障害LDの多くは小学校に入学してから気づくことの方が多いようです。
Q.苦手な科目は、塾で努力して勉強すれば克服できる?
【×】
学習障害LDの子供が苦手とする科目は、学習塾などのくり返し教えるような学習法ではなかなかうまくいきません。学習障害LDの子供にとって合った勉強法が大切です。
Q.本を読むのが苦手だが、ほかのことは普通にできるので、学習障害LDを放置していても問題はない?
【×】
本や文字を読むことができないことは、学習障害LDの子供本人にとってストレスです。放置していいてもいいことはありません。
Q.勉強ができない子供は学習障害LDと診断される?
【×】
成績が悪い理由には、学習障害LD以外にも、聴覚の障害や視覚障害などいろいろなケースが考えられるので、全部を学習障害LDを早合点するのは間違いです。
Q.学習障害LDと他の発達障害の両方が起こることがある?
【○】
学習障害LDの子供の30〜50%の割合で、ADHDとLDの両方をもっています。また、アスペルガー症候群や自閉症が起こることも多いようです。
Q.学習障害LDと不登校は関係ない?
【×】
学校の授業内容についていくことができず、まわりの大人の対応が不適切だと、不登校やひきこもりにつながる学習障害LDの子供もいます。
Q.学習障害LDに効果がある薬物療法がある?
【×】
ADHDの多動性や衝動性に効果のある薬は開発されていますが、学習障害LDに効果のある薬はありません。
Q.学習障害LDの子供でも、将来自立することができる?
【○】
学習障害LDのある子供でも、成長して大人になり、様々な体験や経験を積むことで、きちんと自立した大人になることができます。
◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授の上野一彦先生執筆・監修「図解よくわかるLD(学習障害)(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。