【LD学習障害】特別支援学級か、通級指導教室か?

【LD学習障害】特別支援学級か、通級指導教室か?

かつての学校教育の現場では、通常学級の子どもは一斉指導が原則でしたが、現在では、発達障害の子どもに対しては、特別支援教育のスタートによって、個別指導も行われるようになっています。

そこで今回は、LD学習障害など発達障害の子どもの教育支援として、特別支援学級、通級指導教室についてポイントをまとめてみたいと思います。

LDの学習支援|特別支援学級について

LD学習障害など発達障害の子どもは、通常学級で他の子どもたちと同じように授業を受けながら、個別の教育過程カリキュラムによって、特別支援学級で個別指導を受けるケースもあります。

特別支援学級は、通常学級から離れて個別指導や集団指導を行うことで、同じ学校の中での空き教室などを活用して実施されます。

通常学級よりも時間をかければ理解できる、通常のカリキュラムとは違う内容の方が子どもの特性に合ったサポートができる等、発達障害の子どもそれぞれにメリットが大きいと想定される場合には、特別支援学級の個別指導が有効です。

個別指導計画について|発達障害の学習支援

個別指導計画には、子どもの発達障害の程度に応じて適切な指導ができるように、年間目標や指導方法が記載されます。

詳細については、学校によって違いがありますが、専門家の助言を受けながら、特別支援教育コーディネーター、担任教師、保護者の三者によって計画がつくられるケースが多いようです。

個別指導計画のメリット、利点は?

個別指導計画では、発達障害の子どもの年間目標、短期目標を立て、通常学級と特別支援学級で指導すべきことを明確にできるメリットがあります。

発達障害の子どもにとっても達成しやすい目標となり、やる気やモチベーションが高い状態で取り組むことができる利点もあります。

個別指導計画は、1年間で成果を評価し、改善点があれば翌年の計画にフィードバックします。

文部科学書の調査データによると、小学校では66.6%、中学校では52.1%が、個別指導計画を作成しています。

通級指導教室について

コミュニケーション能力、ソーシャルスキルの困難が目立つ発達障害の子どもの場合には、通常のクラスで授業を受けながら、週に数回程度、特別の場所に通って指導を受けるのが一般的です。

これを「通級指導」と呼びます。

通級指導の対象は、以前は視覚障害、聴覚障害、情緒障害の子どもが対象でしたが、現在では、LD学習障害やADHDなど発達障害の子どもも対象に含まれるようになっています。

通級指導の3パターンの形態について

通級には次の3つの形態があります。

①普段通っている学校に設置されている教室に通学する自校通級
②他の学校に通う他校通級
③専門的な指導が可能な教師が指導に来る巡回指導

自校通級が少なく、交通が不便な地域などでは、他校通級をする際にの送迎など保護者の負担が大きいこともあり、巡回指導に期待されています。

よりより特別支援教育の実施においては、自分の学校で支援を受けることが大切で、そういった点からも巡回指導の役割は大きいと考えられます。

◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授の上野一彦先生執筆・監修「図解よくわかるLD(学習障害)(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。