【発達障害の自立】社会性と自主性を育てる方法は?|ADHDとLD学習障害
LD学習障害やADHDなど発達障害の子どもに対する家族のサポートとして、社会性と自主性を育てることも大切です。
LD学習障害だから、 ADHDだから、といって、発達障害んぼ子どもに甘く接したり、過保護や過干渉になってしまうことは、あまり望ましくありません。
発達障害の子どもが成長して大人になったとき、一人前の人間として、自立して社会に出ていくためにも、自主性と社会性を育むことが大切です。
発達障害の子どもが自立するために
LD学習障害など発達障害の子どもが将来自立できるようになるためには、自主性と社会性を育てることが重要です。
そのために、家庭でできるサポートとして「お手伝い」があります。
食器洗いや洗濯物をたたむ、お風呂掃除など、様々な家事のお手伝いを通して、発達障害の子どもに自信を持たせる体験をさせましょう。
家の用事のお手伝いは、子どもの自主性や社会性を育てるのに有効な体験になります。
自信や責任感を持たせるために
LD学習障害やADHDなど発達障害の子どもが、自分ひとりでトイレや着替えができるようになってきたら、家事のお手伝いを頼むとよいでしょう。
お手伝いは、一人前として扱ってもらい、自分の存在価値を確認できる貴重な経験になります。
また、お手伝いによって身につけることができるスキルは、将来、社会に出て自立して生活していく上で必要になります。
最初のうちは上手くできず、時間がかかったり、手間取ってしまうことになるかもしれませんが、発達障害の子どもにまかせることが大切です。
子どもにまかせることで、責任感が生まれ、達成感や自信を持つことにつながります。
お手伝いの具体例
・食事の準備
・料理の手伝い
・食器洗い
・洗濯物をたたむ
・お風呂掃除
・ゴミ出し など
お手伝いを頼むときの注意点
LD学習障害やADHDなど発達障害の子どもに、家事のお手伝いを頼むときには、次の5つの点に注意するようにしましょう。
①前もってお手伝いを頼むことを納得させておく
いきなり子どもにお手伝いを頼むのではなく、前もって伝えて本人にも納得させるようにしましょう。
②お手本を見せる
子どものお手本として、親が実際にやって見せて、手順やポイントを説明しておきましょう。
③最後まで子どもにまかせる
できるだけ横から口出しせずに、子どもひとりにまかせましょう。
④ちゃんとほめる
お手伝いが終わったら「よくがんばったね」とほめることも大切です。
⑤反省点も伝える
反省点やよくないところがある場合には「次はこうしよう」「こうすればもっとよかったね」などと伝え、「それじゃダメ」と否定しないような言葉がけが大切です。
お手本を見せたり、手順を紙に書いておく
お手伝いの内容が複雑でない場合には、まずは親がお手本を見せるとよいでしょう。
発達障害の子どもに説明するときには「ここをこうして」とあいまいな言葉で伝えても、「あれ」「これ」が理解できないこともあるため、具体的に伝えることが大切です。
また、作業が少し複雑に感じられる場合には、手順を紙に書いておき、見える場所に貼っておくこともおすすめです。
LD学習障害やADHDなど発達障害の子どもにお手伝いをお願いするときには、うまくやることや正確にできることに焦点を当てるのではなく、子どもが楽しみながらお手伝いをできるようにすることが大切です。
◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授の上野一彦先生執筆・監修「図解よくわかるLD(学習障害)(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。