学習障害LDの子育て、自立して生きていくにはソーシャルスキルの習得を

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学習障害LDの子育て、自立して生きていくにはソーシャルスキルの習得を

学習障害LDなどの発達障害の子どもの子育てにおいて、将来子どもが自立して生きていくことができるようになるためには、ソーシャルスキルをきちんと身につける必要があります。

ソーシャルスキルは簡単に身につくものではありませんので、幼い頃からひとつずつ学習させ身につけさせるようにしましょう。

ソーシャルスキルは必要なことから

ソーシャルスキルとは、まわりの人とコミュニケーションをとり、ともに生きてために必要な技能や技術、能力のことです。

集団生活の中で自然に身につくものと思われていますが、学習障害LDなど発達障害の子どもにとってソーシャルスキルを身につけることは簡単なことではありません。

まずは最初は、家庭でルールをつくって何をすべきか、守るべきか、大切なことから教えていくとよいでしょう。

最初のうちは細かいことに目をつぶり、子どもが外で危険な目にあったり、人に危害を加えたりすることがないように、本当に必要なことからひとつずつ教えることが大切です。

また、家庭だけでなく、学校や地域も関わって学習障害LDの子どもにソーシャルスキルを教え、育てていく関わりが理想です。

注意するときは具体的な内容で伝える

学習障害LDやADHDなど発達障害のある子どもを叱ったり、注意するときは「具体的な内容」で伝えるようにしましょう。

例えば、順番待ちの際に割り込んだりした場合「割り込んだらダメでしょ!」という否定形の言葉ではなく、「列の後ろに並びなさい」とどうすればいいのか具体的に伝えます。

ダメ、いけません、やめなさい、という表現では、どうすればいいのか発達障害の子どもにはわからないのです。

指示をするときはひとつずつ

子どもに何か用事があって名前を呼んだら、ふつうは返事をしたり振り向いたりするものです。

しかし、聴覚認知にかたよりがある学習障害LDの子どもの場合、人の声を聞き分けることができず、名前を呼ばれても無視をして知らん顔をしていることがよくあります。

そういった場合には、子どもの肩をたたく、手を取るなどで注意を向けさせるようにしましょう。

学習障害LDやADHDなど発達障害の子どもに指示を出すときのポイントは、一度に2つ以上のことを言わず、ひとつずつ伝えることです。

例えば「まず宿題を終わらせてからご飯を食べて、その後お風呂に入りましょう」とい指示の出し方では、短期記憶が弱い子どもは覚えることができず、頭の中が混乱してしまいます。

指示を出すときは「宿題をしましょう」とひとつずつ伝えるようにします。

また、言葉で伝えるだけでなく、カードや絵を使った指示の伝えかたも有効です。

がまんすることの大切さを教える

人の話を聞けない子どもや、相手の行動にあわせることができない子どもは、相手の話をさえぎって一方的に話し続けることもあります。

がまんできない発達障害の子どもには、相手の話を聞くことの大切さをきちんと教え、「○○ちゃんが5分話をしたら、次はママが5分話をするからね」とあらかじめ決めておく方法もこう家庭です。

その場の雰囲気に合わせることが苦手な発達障害の子どもも多く、静かにできず騒ぎ出してしまうこともよくあります。

そういった場合には、「あと5分、座っていなさい」とはっきりした伝え方がいいです。

「シー」っと口に人差し指をあてて伝えるボディランゲージは、非言語コミュニケーションを理解できない発達障害の子どもには理解できないのです。

◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授の上野一彦先生執筆・監修「図解よくわかるLD(学習障害)(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。