学習障害(LD)の兄弟の対応、接し方のポイントは?
学習障害(LD)の子供に兄弟がいる場合、接し方や対応方法ではどんなことがポイントにあんるのでしょうか。
まず何よりも大切なポイントは、学習障害LDの子供と他の兄弟を比べたり、比較、区別することは絶対にやめましょう。
兄弟に学習障害LDの特性の理解をうながす
学習障害(LD)の子供のことを、他の兄弟に説明する時期は、ある程度の年齢になってからがよいでしょう。
小学校低学年の間は、まだ学習障害LDについて理解することが難しい年齢です。
他の兄弟に学習障害LDについて詳しく説明して理解を求めるよりも、「何ができて、何が苦手なのか」と障害名は言わずに具体的な特性について説明するとよいでしょう。
子供に「いつ治るの?」と聞かれた場合、どう答えればいい?
無邪気でまっすぐな子供の質問に、親として返答に困ってしまうこともあります。
例えば「いつ治るの?」と聞かれても、親にもわかりません。
ですが、その場をごまかしたり逃げたりするような返答は望ましくありません。
「今はうまく説明できないから、もう少し時間をちょうだい」と正直な親の気持ちを伝えて、学校や小児科医に相談してから説明するという対応もよいでしょう。
子供の質問に対してうやむやにしてしまうと「弟(妹)のことには触れてはいけない」と子供が感じるようになり、腫れ物を扱うかのように学習障害LDの子供と接することになりまねません。
親の姿勢は子供にとってお手本となります。
真正面から真摯に学習障害LDと向き合う親の姿勢を見ることで、兄弟にも「一緒にサポートしよう」という気持ちが芽生え、一番の理解者になっていくことでしょう。
兄弟みんなと平等に接すること
学習障害LDの子供がいると、その子にばかり親の目が向きがちなるのはある程度は仕方がないことです。
しかし、学習障害LDの子供ばかり特別扱いを受けていると、他の兄弟たちは不満や嫉妬心を抱いてしまいます。
頭ではわかっていても、親に甘えたくても甘えられない、という状況が続くと不公平感を持つようになってしまいます。
親としては、学習障害LDの子供と同じように他の兄弟にも愛情をしっかりと伝え、平等に扱うことが大切です。
「お兄ちゃんだから大丈夫でしょ」などと我慢を強要したり、突き放してしまう言動には注意しましょう。
まとめ:学習障害 LDの兄弟の接し方のポイント
・ほかの兄弟に我慢を強要させないこと
・他の兄弟ともゆっくりコミュニケーションをとる時間をつくる
・学習障害LDの子供と兄弟を比べたり比較しない
・きょうだい全員の良いところをちゃんと評価する
・平等に扱う
◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授の上野一彦先生執筆・監修「図解よくわかるLD(学習障害)(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。