うまく話せない学習障害LDも、話すことが苦手、話し方に特徴も

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うまく話せない学習障害LDも、話すことが苦手、話し方に特徴も

漢字の読み書きや作文などは普通にできるのに、話すことが苦手で言葉が出て来なかったり、まとまりのない話し方になってしまう学習障害LDの子供もいるようです。

今回は、うまく話せない学習障害LDの症状や特徴について書いてみたいと思います。

話せない学習障害LDの子供も

学校の授業の内容は理解できて、先生からの質問にも答えられるはずなのに、いざ話すときになると黙ってしまう学習障害LDの子供もいるようです。

話そうとしていた内容を思い出せなかったり、自分の考えをまとめるのに時間がかかったりして、緊張などでさらに答えられなくなることもあります。

会話をするときも、順序だって話をすることができず、話が飛び飛びになり、脈絡にない話になる例もみられます。

こういった自分の言いたいことをうまく表現できない原因は、短期記憶が弱いために、頭の中で話そうとしていたことを忘れてしまうからと考えられています。

が、は、と、助詞や接続詞が使えない

「弾いた、ピアノ、先生」などのように、単語を並べるだけで、「が・は・を・と」などの助詞や、「でも・それで」など接続詞を使って話すのも難しいようです。

そのため、話の内容が乏しくなりがちで、相手に分かるようにうまく話をすることができません。

コミュニケーション能力が低い、人の気持ちが分からない

また、言葉の使い方だけではなく、総合的にコミュニケーション能力が低い傾向もみられます。

自分の気持ちを伝える、相手の気持ちを読みとる、といったことにも問題があり人間関係でつまずきやすいのです。

普通、相手の表情や話し方などから、本心か冗談か、怒っているのか、楽しんでいるのか、など相手の気持ちを判断するのですが、学習障害LDの子供は、話し方のニュアンスや含みなどを読み取ることが困難で、言葉の意味だけしか受け取れなかったりします。

その結果、相手から「話が通じない」「雰囲気が読めない」と思われてしまいがちです。

上手に話せない学習障害LD、話し方の特徴

・思いつくまま、脈絡のない話をする
・とぎれとぎれに話す
・とても早口で話す
・相手が迷惑そうな顔をしても話をやめない
・単語を並べるだけだったり、短い言葉で内容的に乏しい
・いう、どこで、誰が、何を、と順序立てて話すことができない
・「おかえり」と「ただいま」、「あげる」と「もらう」などを間違える

あいまいな言葉では伝わらない

冗談やからかいなどが通じう、本気で怒ってしまうこともあります。

次のようなあいまいな表現ではうまく伝わらないようです。

「こんなことしていいと思っているの?」

「まっすぐ帰りなさい」(まっすぐ歩くこと、と思う)

「お風呂を見てきて」(ただ「見る」だけ)

◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授の上野一彦先生執筆・監修「図解よくわかるLD(学習障害)(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。