ボーダーライン症候群の意味と定義は?BPDの割合と人数について
日本でも境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)の患者数が増えてきています。
今回は、その境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)の意味と定義、患者割合と人数についてお伝えします。
境界性人格障害の意味と定義について
境界性人格障害の意味について、英語では「BPD = Boderline Personality Disorder」と呼ばれている心の障害のひとつです。
ひと昔前までは、日本では境界性人格障害と呼ばれていたのですが、「人格障害」という響きが悪いイメージを与えるのでは、という批判もあり、今現在、日本語では「境界性パーソナリティ障害」と呼ばれています。
また、英語のままで「BPD」「ボーダーライン症候群」「ボーダーライン障害」と言われることもありますが、すべて境界性人格障害と同じ意味と定義です。
「境界性(ボーダーライン)」は、精神病と神経症の境界という意味です。
WHO(世界保健機関)の診断基準では「情緒不安定性パーソナリティ障害」という名称で呼ばれています。
[境界性人格障害の他の病名]
・境界性パーソナリティ障害障害
・BPD
・ボーダーライン症候群
・ボーダーライン障害 など
日本での境界性人格障害の患者人数と割合について
強い自己否定と対人関係のトラブルが多い境界性人格障害ですが、日本での境界性人格障害の患者人数と割合について調べてみたところ、有病率は成人で約6%、子どもでは約4%というデータがありました。
人数に換算すると、100人のうち4〜6人くらいの人が境界性人格障害の患者の割合になります。
日本の全人口で考えて見ると、約400万〜600万人が境界性人格障害の患者ということになりますね。
診断基準に完全に当てはまらないけど同じ様な特徴や傾向を持っている人数を合わせると、もっと高い割合になりかなりの人数がいるのでは、と思われます。
境界性人格障害の特徴について
境界性人格障害の人は、情緒不安定で急に怒り出したり、リストカットや自傷行為を繰り返したりする傾向があります。
日頃から常に、心の中に虚しさや死にたい気持ちを感じていたり、愛情に飢えていて相手の人から見捨てられるのでは、という不安な気持ちを強く感じていたりします。
こんな自分には生きる価値がない、どうせ自分なんて誰も愛してくれない、というネガティブな感情が強く、人間関係でのトラブルが多いのも特徴のひとつです。
生きることに対してポジティブで前向きな感情が乏しく、死にたい、いなくなりたい、といったネガティブな感情が強いのも境界性人格障害の人には多くみられます。
境界性人格障害の特徴まとめ
・情緒不安定
・リストカット
・ドタキャン
・ネガティブな思考
・対人関係のトラブル
・急に怒りだす、泣き出す
・オーバードーズ(大量服薬)
・自傷行為
・薬物乱用
・強い自己否定
・人間不信
・死にたいと言う など
◆この記事は、パーソナリティ障害の臨床の第一人者であり岡田クリニック院長の岡田尊司先生執筆・監修「ササっと分かる境界性パーソナリティ障害(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。